石巻の地域再生計画ってなに?
2015年1月22日、石巻の街づくりについて大きな話題がありました。
地域再生の20計画認定 首相「自治体リードを」 - 47NEWS(よんななニュース)
政府は22日、人口減少克服に向けた自治体の産業振興策を支援する「地域再生計画」で、北海道下川町の地元木材を活用したバイオマス発電施設の建設など20件を新たに認定した。安倍晋三首相は官邸で開かれた自治体首長への認定書授与式で「地方創生の先駆けになって全国の自治体をリードしていくことを期待する」と述べた。
地域再生計画
人口減対策と地域活性化に向け、自治体が地域の特色を生かした施策を進める「地域再生計画」21件を新たに認定した。政府は昨秋の臨時国会で成立した改正地域再生法に基づき、申請手続きを簡素化。今回の計画は4県16市4町村が単独や合同で申請した。政府は計画を地方創生のモデル事業と位置付け、交付金支給などで支援する。
地域再生計画:21件を認定 石巻市の観光拠点整備など - 毎日新聞より引用
(※認定された計画は20件と思われる。)
地域再生計画の第30回(前半)認定について - 地域活性化統合本部会合より
国が交付金の支給や税制優遇の処置をすることになるので、各省庁とのやり取りがスムーズになるのだという。
石巻市は何をやるのか?
事業詳細が書いてあります。ざっくり以下。
石巻市の再生計画 全国初の首相認定 : 地域 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
市の地域再生計画は、復興を目指したコンパクトでにぎわいのある街づくりと、被災者の心身を専門家らが支える地域包括ケアを進めることが目標。市立病院や地域包括ケアの拠点施設、新たな複合文化施設の建設などで再生を推進するとしている。計画期間は2019年度末まで。新たな街づくりで年間交流人口を現在より100万人増やすことなどを掲げている。
NEWS石巻かほく:石巻市地域再生計画、内閣府に申請 地域包括ケアと多機能集積目指す|メディア猫の目
再生計画は(1)津波復興拠点を核とした地域包括ケアの展開(2)かわまちづくりと連動したにぎわいと安らぎのある、歩いて暮らせるまちづくりの推進(3)文化芸術活動の推進による人との豊かなふれあいと、歴史的資源を生かした安らぎのある空間づくりの推進-を3本柱に据えた。
地域包括ケアは子育て世代や障害者も含めた「次世代型地域包括ケアシステム」の構築に向け、JR石巻駅周辺に機能を集約し、災害時の津波防災拠点を整備する。
移転新築する市立病院のほか、災害時に司令塔となる「防災センター」を整備。市内各地で展開する包括ケアシステムの総括や、多職種の連携・交流の拠点となる「ささえあいセンター」を新設する。これらの施設は歩行者デッキで結ぶ。
計画には16事業を組み込んだ。国の復興交付金事業以外に市独自の取り組みとして、河川堤防を利用した「水辺と緑のプロムナード」、旧北上川河口付近に小型船舶などを集約・収容する「防災マリーナ」の整備事業を実施する。
また、石巻の中心市街地活性化基本計画も特例により認定されています。
数値目標
2.交流人口の増加
地域再生を図るために行う事業
- 河川堤防を利用した水辺と緑のプロムナード整備事業
- 防災マリーナ整備事業
- 石巻市立病院整備事業
- 石巻駅周辺地区一団地の津波防災拠点市街地形成施設 ((仮称)ささえあいセンター、(仮称)防災センター、歩行者デッキ、周辺道路等を整備する。 )
- 市街地再開発事業(観光交流施設) (街なかの集客拠点として(仮称)生鮮マーケットをはじめとした観光交流施設等を再開発事業により整備する。)
- 土地区画整理事業(中央一丁目地区)
- 復興公営住宅整備事業
- 市街地再開発事業(中央三丁目 1 番地区) 実施主体:民間事業者
- 市街地再開発事業(立町二丁目5番地区)実施主体:石巻市・民間事業者
- 市街地再開発事業(中央一丁目 14・15 番地区)実施主体:石巻市・民間事業者
- (仮称)まちなか安心ふれあいセンター整備事業
- 中瀬周辺地区を核としたかわまちづくり事業
- 南浜地区復興祈念公園整備事業
- 複合文化施設整備事業
- 文化財建造物等を活用した地域活性化事業
上記、記事を読むと地域活性化に必要なことは
タダでおカネをもらえれば活性化しそうなものですが、ズバリ、地方創生に必要なのは「おカネそのもの」ではなく、「おカネを継続的に生み出すエンジン」なのです。
安倍政権が、地方創生を目玉政策にする以前から、地方には莫大な予算が、さまざまな名目で配分されてきました。しかしながら、成果がまったくでない。なぜ何兆円もの資金を、地方の活性化目的に配分しても活性化しないのか。
その理由は、結構シンプルです。つまり「利益」を出さない、いや税金を使う=「利益を出せない」事業ばかりだからです。
施設を作るだけではなく、お金を継続的に生み出す仕組みも同時に考えなくてはなりませんよね。建てて終わりでは、何の課題解決にもなりません。
実は、道の駅の約8割は行政が設置しているという、立派な公共事業の一つです。
そのため、売上げを伸ばしていこうという努力が足りなかったり、そもそも立派な建物すぎてコストが高かったり、さらには「破綻しても行政が事業主体だから、行政任せ」という状況になっていたりしているのです。
(仮称)生鮮マーケットも道の駅と同じ状態になることが予想され、ここでの指摘にまさに合致しそうです。
住民の協力なくして、今回の地域再生計画の成功はないと思うので、これからの展開が楽しみです!
石巻市中心部 2014年11月の様子