復興ログ

未来の被災地にいるアナタと数十年後のキミたちへ。すべての記録を残します。

ウェブ正直論

2011年の年明けから、ちょっと「ウェブの未来を想像」していて。先日、上司と話して、はじめてご披露してみました。
※一つのもやもやとした個人的な想像です。。

Web 3.0

最近、TechCrunchに未来を想像させる記事が2本上がりました。

大量のアイデンティティーデータ

ウェブの歴史を追いながら、未来を想像している記事。

最近、LinkedInのファウンダー、Reid Hoffmanがこう言っていた。「もしWeb 1.0が、検索とデータ収集とある程度の対話を可能にし、Web 2.0が真のアイデンティティーと真の人間関係を持ち込んだとすれば、Web 3.0では、真のアイデンティティーが大量のデータを生成するようになるだろう。」

LinkedIn[*1]の人が、そう言っているらしいです。続けてこう書いてあります。

LinkedIn、Myspace、FacebookTwitter、その他多くのソーシャルメディアツールの台頭によって、われわれは「ソーシャル」になり「時の権力」はわれわれの職歴、取引相手からわれわれの好み ― 食べ物、エンターテイメント、性的な好み等々 ― にいたるまで知り始めている。これが、Reid Hoffmanが言うところのWeb 3.0だ。

しかし、Web 3.0世界ではもっともっと多くのことが起きている。「ソーシャル」だけではない

2006年、Web 2.0SNSが牽引したように、2008年にはWeb 3.0はセカンドライフのようなヴァーチャルなコンテンツが牽引するのではないか?と思っていました。世の中的にもそんな空気があったのも覚えています。いつのまにかセカンドライフの話を聞く機会も減り、Web 3.0の主軸は「ソーシャル」という予感が徐々に確信になりつつあります。Web 2.0とWeb 3.0の違いは何か?Web 2.0もソーシャルだったんじゃないのか?「Web 2.0はインターネットに乗るための(ツール)環境が整った」という解釈を個人的にしています。きっと、Web 3.0はツールが連携し「ソーシャルになり」、あたかもインターネットで人と人の脳とコンテンツがシームレスにつながるという感じがしています。思い浮かべるのは、twitterfacebookです。OpenID(認証)、Oauth(認可)の技術の普及が進むことによって、デベロッパーはコンテンツ間の連携を容易にすることが可能になりました。

更に、この記事ではWeb 3.0はソーシャルだけではなく「医療に関連するデータまでもが共有されることになる」と言及しています。日本ではまだ、実感がないなぁ。。インターネットを利用することで毎日の健康状態を記録する。Googleの検索で調べたものから、その病気に効く薬を提示する。この件に関しては、実現するには長い時間が掛かりそうですが、いつかそんな時代が来るのかもしれません。(ウェブ進化論にも記述があったのを覚えています)

Web 3.0 はいつ来るの?

ここでも個人データを強く主張しています。

先週は偉大なる思想家であるReid Hoffman(LinkedIn)とTim O’Reillyオライリー)を本誌のスタジオに招いて、”Web 3.0″の定義をHoffmanに語ってもらった。それは、大量の個人データがWeb全域に解き放たれることによって起きる、怒濤のようなイノベーションの大波だ。

ウェブのバージョンアップの時期

その続きである今回は、Web 3.0は今すでにあるのか、と二人に聞いてみた。答は、イエス、そしてノーだ。Web 1.0からWeb 2.0への移行のときも、両者の境界は明確ではなかった

ウェブのバージョンが全て上がるわけではないと思っています。Web 2.0的要素を組み込んだWeb 1.0サービス(新聞社など)も今日においては存在しているように、移行が明確ではない分、ウェブのバージョンは存在し続けるはずです。Web 1.999みたいなサービスがあっても当然いいはず。インターネット全体で考えればそちらの方がおもしろいと思います。(儲かるか、儲からないかは別として・・)

イノベーションの大変化のキッカケについて二人はこう違いを語っています。

O’Reillyは、物理的世界の大変化を期待する。一方Hoffmanは、デジタル世界に大きく賭ける。

O’Reillyさんがこんなことを言っていて、期待感がもてます。(参照:What Is Web 2.0 - O'Reilly Media ムーアの法則 - Wikipedia

ウェブが正直になり始める

おそらく、Web 3.0の正体は「ソーシャル」で「大量の個人データ」だということが確信に変わりつつあります。(2011年4月現在)
じゃー、大量の個人データってなんだろう。個人データは「個人のプロフィール」や「個人の思考」であり、それらを「アクティビティ」とします。アクティビティの単位は小さくなればなるほど、大量のデータを生成することになります。
例えば

  • おはよう
  • ○○に△△さんと一緒にいます
  • 今から学校に行きます
  • 退社しました
  • ○○買った
  • 美味しそう

最近のウェブでは良く見かける単位です。そして、更にこれらのデータにリプライが生まれます。

  • おはよう → おはよう
  • ○○に△△さんと一緒にいます → 呼ばれてないんですけど
  • 今から学校に行きます → 私も今から行く
  • 退社しました → お疲れさま
  • ○○買った → どこで買ったの?
  • 美味しそう → 美味しそうだね

こんなやり取りを見ると、アクティビティの単位はとてつもなく小さいです。インターネットが今まで実現してきた通信や情報のやり取りの延長によって発生した、コミュニケーションが大量に生まれています。(それをコミュニケーションと呼ぶのかは別問題として。。)

小さなアクティビティが正直過ぎる

今現在、起こっている、このやり取りは限りなく自分の気持ちに正直です。頭の中とインターネットがダイレクトに結びついているイメージ。スマートフォン、一つでそれが可能になります。これらの使い方は、インターネットの今までの使い方の延長であるために、普段の日常生活では口にしないようなマイナス思考の感情も大量に垂れ流しされています。頭で感じたことをすぐに投稿できる環境が整ってきたわけです。

3つのサービスのアクティビティで生まれる個人の思考(個人データ)は大量にウェブに流れてサービスの垣根を超えて連携しています。
小さな単位になったアクティビティは複数のサービスと連携をしながら

小さなのアクティビティ × 大量の個人の思考 = Web 3.0での個人データのやり取り

こんな形でウェブ上を流れるようになるのではないかと想像します。この小さなアクティビティは人の感情に限りなく正直になるためにウェブ全体に、リアルな社会性を反映した感情が浸透することになるはずです。

実名を出して、発言に責任を持ってインターネットを使い始めるようになるんだろうなぁ。。。

*1: 1 Linkedinは2003年にカリフォルニアのPalo Alto市で生まれたビジネス特化型SNSである。当初シリコンバレーで広まったが,現在は米国のみならず130カ国で850万人が利用している。創業したその年に,シリコンバレーの名門ベンチャ・キャピタルであるSequoia CapitalやGreylock Partnersが投資を行ったことでも知られている。 [http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/USNEWS/20061223/257662/:title=シリコンバレーでは常識,850万人が使うビジネス特化SNS「Linkedin」]より引用